………夢でも見てるんじゃないか。最初に思ったのはこれだ。それを認識せざるを得なくなった第二段階、どうしてコイツがここにココにいるかってこと。
「よう」
ソイツは、当たり前のように、俺に挨拶をした。

「お前……死んだ筈じゃ、」
…俺の目の前には、随分前に事故で死んだ友人、マコトがいたのだ。
俺は確かにコイツの葬式に出た。花だって上げたし骨も拾った。なのに何でコイツはココにいる?


「あ、うん、なんか死んじゃったみたい。」
「みたい、ってお前……じゃあ何でいるんだよ」
「いや、死んじゃったから、オバケってヤツ?」
…話が噛み合わねぇ!
俺はそんな事が聞きたいんじゃない。生前と全く同じ調子でトロい喋り方をするマコトに、再会の懐かしさとかを通り越して腹が立ってきた。


「そういやお前さ、オバケって…」
「ん?」
「オバケって云ったって、お前、脚ついてるじゃん」
「オバケだって脚ぐらいついてるよー。オバケのグローバルスタンダード、これ」
オバケのグローバルスタンダードなんて俺には知ったこっちゃないが。

「あ、でもさー、ここ。見て見て」 自分の頭頂部を得意げに指差して、にっこり。「ほらね、毛が三本」
……それは明らかにオバケのグローバルスタンダードではない。
「それにしてもさ、大変だったんだよ。ケンちゃん以外にはオレの姿見えないみたいでさ」
よりによって、何で俺がそんな目に……

「ココに来るのだって、電車乗り継いできたよ」
オバケなら飛べよ。

「あ、それとね、玄関閉まってたからピッキングした。いやー案外カンタンに開くもんだねぇ」
壁くらいすり抜けろ!

「…そういえば、オバケになったら、アレ、できるようになったよ、消えるの」
俺以外の誰にも見えないのに一体なんのために消えるんだ?

「見る?消えるやつ」
マコトを見ると、やる気満々って目で俺を見つめている。
仕方なく頷いてやるとポケットに手を突っ込み、俺の目の前に握り拳を突き出した。
ゆっくりと開かれた手のひらには…一枚のコイン。
「さぁて、取り出したりますは種も仕掛けもない一枚のコイン!このコインがあっという間に…」
……テーブルマジックかよ!!そんなの、ちょっと練習すれば誰にだってできる。

「あ、でもオレね、ケンちゃんに伝えたい事あったんだよ」
オバケであるマコトは、急に神妙な顔付きをして話を切り出した。

「…なんだよ、伝えたい事って」
「うん、実はね、……コレは、オレの友達が本当に遭った怖い話なんだけど……」


怪談かよ……!!!


そんな事どうだっていいし、マコトの存在自体がオバケなんだから、今更何を怖がれというんだ。

「まぁ、でもオレ、ケンちゃんと話が出来てよかった」
俺は、あんまりよくない。

「じゃあオレ、そろそろ行くね?」
……結局何をしにココまで来たんだ、コイツは。

「あ、そうそう、言っとかなきゃいけない事があったんだった」
マコトは忘れ物をしたかのように振り返り、

「……あんまり、この世に未練を遺すなよ」

と俺に向かってつぶやいた。



俺の三本の毛が風にそよいだ。








おばけのきゅうたろうをれんそうしてみてください。


銀月の聖さんとこにヨメにでました…銀色のお礼にさしあげました
真夜中に何送りつけたかってコレだからな!とんだ迷惑!わらい
もらってくれた聖さんに感謝感激雨嵐…

ちなみにGSは「Global Standard」の略。世界基準。ワォ!


05' 11/12UP