雪、聖夜。呼び覚ますのは神ではなくあなたの名前。願わくば、この空の下、雪に消えていく、一握の思い、



あなたにメリークリスマス。







「うそつき」
さっき巻きなおしたばかりのマフラーを弄くりながら、ランボは微笑みながら俺に言った、
秋の残骸(いつか見た夕日みたいな朱)が足元で微かな音をたてた。
「寒い日は外に出たくない、って、隼人が言ったくせに。」
ランボは白い息と一緒に小さくまた笑った。星明りの下、拗ねた口調をするくせにやけに楽しそうだった。




「雪。」
「ん?」
「降らない、かな、」
「…あぁ、」



途切れた会話が気になってランボの方を見遣ると、俺の方を見ていたらしいランボと目が合った。刹那、逸らされた。


後数秒の空白のあと、



「手…寒くない、の?」

ランボは風に晒されて赤くなった手を(決して無防備ではなく)見て言った。



「隼人がもし寒いなら、」

俺はそれを曖昧に否定した、「別に。」



「じゃあ、オレが寒いから、」


俺は少し驚いてランボを見た、簡単に変えてしまえる世界。


「手を繋いでくれますか。」


かじかんだ手を俺の目の前に差出すとランボは眩しそうに笑った。
恐る恐るランボの指先に自分の指を不器用に合わせた。


ランボの優しい36・5度を自分の手の中へ滑り込ませると、確かな温度を感じた、
明確な体温、確かなものはこんな近くに、



「……まだ、冷たい。」

握り返してくる手が俺を責めているみたいだった。
俺はランボの震える語尾を捕まえて飲み込んだ、喉の奥深くまで。

ひび割れた唇を濡らす、温かい液で、全部知ろうとするように (例えばあなたの胸のなか) 探るように優しく舌を転がす、こんなにも熱いのに、
無数の隙間が埋まっていく。


いつしか降り出した雪が二人の肩に降り積もる、何億の雪、汚れを知った (それゆえに) 白い雪。



そのとき
教会の鐘が午前0時を告げた。静かに轟く、波のように、
あの人が気づき、そのむこうの人が気づく。


きよし、この夜。


「メリー・クリスマス。隼人……」
上気した頬でランボはまた笑った。


「ランボ」


名前を呼んで彼の手を自分から強く握り締める。ひっそりと音も無く降り積もる雪と一緒に。






信じるものはただひとつ、











このきっさきの暖かさ。









はい!獄ランがわかりません師匠!!(ジャンピング土下座
なんちゃって聖夜気取り…


11/11UP