子供が数人、ままごとをしている。
僕は部屋の窓からじっとそれを見ている。


小さな頃からそうだった。
あの輪の中に入ろうとしなかった。

それでいて、何も感じなかった気がする。

その頃から僕は可愛げのない子供で、
その当時はままごとなんて架空の世界で一生懸命になって、
果ては喧嘩して後味悪く帰っていく友達を愚かだと思っていた。


だが、今こうして見ていると、
ままごとは社会を端的に表していると思う。
権力の強い子供が良い役を演じ、
気が弱い子供はそれの言いなりになるしかない。

周りの小道具がおもちゃなだけで、完璧に社会を模倣できている。


それは子供達がすごいのか、
それとも、世界がそれほどまでに単純なのか、


僕が半分呆けて考えていると、
はだかの肩に生温かいものが巻きついた。
さっきまでベッドで寝ていた奴の腕には火のついたタバコ。
煙たくて僕は少し顔をしかめた。


「何見てんだよ」
「子供のままごと」
「もしかしてやりてーの? じゃあ雲雀がお母さん役な」
「ねぇ、殴られたい?」
「冷てーなぁ」





そう言って紫煙をふーっと吐き出した奴を見て、
こいつとなら真剣にままごとをやる気になるかもしれないと、


ほんの少しだけ、
本当にほんの少しだけ思った。


                     ......fin







東京心中 拍手お礼ページに置いてたもの。獄ヒバです…
東京心中閉めちゃったしいいよね?ってことで再利用(貧乏性め)