それは、恋というにはあまりにも唐突だった。


その綺麗な顔を歪めてやりたいと。
苦痛に呻く声を聞きたいと、一目見て思った。


一目惚れにしてはちょっとばかり色気が足りない、それが始まり。










「骸さーん」
「……」
「…骸さん?」
「……」
「骸さん!」
「…はい?」


数瞬かの間、ぼんやりしていたらしい。背後から犬が何度も僕を呼んでいた。
モニターを覗き込んでいた顔を上げて振り返る。


「コイツ?雲雀恭弥っての?」
画面を人差し指でトントン突いて犬が訊いてくる。指の先には端正な顔立ちの少年の姿があった。

「…そうでしょうね。」
「なんか生意気っぽー」
「その方が潰しがいがあるでしょう?」

彼の構えた仕込みトンファーに返り血が伝う。モノクロの画面の中で粘り気のあるその体液はいやにぬめって見えた。
ここまでの道程、何人もの刺客を倒してきたのだろう――もっとも、刺客といえど一介の中学生に過ぎない。そんな輩に簡単にやられてしまうような男にはこっちとしても用はないのだが。


「強そうれすかー?アレ」
「弱くはないんじゃないですかね、まぁ。」

そう呟いて、唇をペろりと舐めた。
雲雀恭弥。この男の命を己の手に握る瞬間がくるまで、興奮を抑えられそうになかった。





「それなりに足掻いてくれなきゃ、困りますよ…」


青光りする画面がジジ…と揺れる。
監視カメラの目が自分と同フロアに侵入したらしい雲雀を捉らえた。




雲雀恭弥と接触するまで、あと少し。






標的62へ続く。
とまぁこんな感じで骸ヒバです…好きですよ骸ヒバ!

20050927UP