何度も名前を呼ばれる夢を見た。ひばり、ひばり。五月蝿いと払いのけてしまってから後悔する。自分を呼ぶ声を欲していた自分自身に驚愕し、絶望する。僕はいつからこんなに弱くなった?
そうしてまた自分を呼ぶ声が戻ってくる。耳に心地良いその声を払いのける。後悔する。戻ってくる。追い払う……


「雲雀くん…?」


呼ばれて、雲雀はバッと顔を上げた。おぼろげな夢と現実の境界がはっきりしてくる。目の前で顔を覗き込んでいたのは、他でもない六道骸だった。



「……、どうして」

慌てて手の平で目尻を擦った(彼に涙の跡を見られてやしないか?)。雲雀は柄にもなく狼狽していた。
「クラスの人に聞いたら、あなたはきっとここにいるだろうって教えてくれたんです。だから」
「そうじゃない」

「…会いたい人に会いにくるのに理由なんて要るんですか?」
「……」

会いたい。…僕に?不可解だ。第一理由がない。混乱を通り越し雲雀は苛立ちすらおぼえた。

「来てみたらここであなたが寝ていたんですけど、酷くうなされてて…放っておけなくて」
泣いていたようにも見えたものだから心配で…そういって骸の指がするりと頬に触れた。
雲雀は表情を歪めその手を払いのけた。


「……喋りすぎだよ。六道骸」



目の前の男は"あの時"の骸じゃない。愛された記憶はもはや自分の中にしか遺っていないのだ。ともすれば溢れそうになる涙を堪えて六道骸をキッと睨みつけた。
骸は僅かに傷ついた様子で、それでも笑みを作って言った。

「そんな辛そうな顔、しないでくださいよ」





雲雀の中で何かが切れる音がした。





続...


捏造上等骸ヒバ第三章…
起承転結も何もあったもんじゃない。次で終わらせようとは思ってるんだけど、も!




20051208UP