ジャッポーネの年越しを味わってみたいという建前で渋るあいつを宥めて賺して家まで上がり込んだはいいのだけれど。
彼が一人で住んでいるという小綺麗なアパートの一室で、俺は少し…というか、かなり焦っていた。
「何のためにココ来たんだよ…俺…」
雲雀は早々炬燵に俯せて寝てしまっている。俺はそんな寝顔を横目で見ながら台所の片付けをしている始末だ。おまけにさっき皿を割ってしまった。俺は小間使いじゃねっつの。行く年来る年観ながら一緒に年越そばをすする計画が早くも台なしになりそうだった。 やっとのことで洗い物を終え、濡れた手を拭き拭き雲雀のもとに行くと、雲雀はまだ寝ていた。愛しい人の寝顔のはずなのにどこか憎たらしく見えるのは何故だろう。

「起きろよ…」
「…ん…」
頬をむにむに突いてやっても起きる気配は全く見せない。…くそ。
「なぁ、蕎麦食うんじゃなかったのかよ」
すぅすぅと寝息を立てる雲雀は揺すってみてもやっぱり起きない。
「…のやろ、キスすっぞ」
何を言っても雲雀は起きそうにない。蕎麦は諦めるしかなさそうだ。
「…俺も寝ちまうか……」
狭い炬燵に潜り込んで目を閉じると、不思議なことに直ぐ睡魔が襲ってきた。
蕎麦のことは、すっかり頭から吹き飛んでいた。


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寝ているはずの雲雀がむくり、と上半身を起こした時には、ディーノはすでに深い眠りについていた。
「……自分でキスするって云った癖に」
嘘吐き、と。
聞こえない程微かな呟きをこぼした雲雀は少し躊躇った後、身を乗り出してディーノの額に唇を添えた。
そして赤く染まった頬を隠すように俯せると、再び小さな声で呟いた。―――明けましておめでとう。

午前0時。卓上のデジタル時計が新年を告げていた。








大晦日にディノヒバです! こたつぷれいを書きたかったのはここだけの話…
20060122UP